39転調

RAVEN WORKS VOCAL WORKS』より

アーティスト: 西島尊大(RAVENWORKS)

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コメント
apoi こんにちは、apoiです。
decresc.さんとの合作です。しかも11key!
氏の11keyは左手移動の誘導の仕方がとても上手いという印象を持っており、
以前から私の作風と融合させたら面白そうだよなぁと思っていたのですが、
今回ついに機会を得たので合作実現となりました。やった~

まず合作名義「Code Scripae」についてですが、これは「apoi」と「decresc」の完全なアナグラムになっています。
アナグラムで名義を作ろうと提案をしたのはdecresc.さんで、
それからしばらく2人してアナグラムを探していたのですが、
この2人の文字列の組み合わせはよほど相性が良かったのか、たくさんのアナグラムが生まれました。
以下はその一例です。
「dropicecase」「Code recipes」「Despair cope」「Aspire C code」「I recap codes」……

そんな中、生み出されたのが「Code Scripae」というアナグラムです。
「Scripae」という単語はChat GPTによって提案されたもので、
曰く、「書かれたもの(=書物)」を指すラテン語だとか。
深く調べてみるとこの単語はタイプミスで、正しい綴りは「Scribae」であって、
意味も「(女性の)書記官たち」だったのですが、はじめましての時はそんなことを知るはずもなく、
「Code Scripae(=コードに関する書物)」って、この曲にまさにぴったりで「完璧じゃん!」と興奮したものです。

もちろんちゃんと調べると上記の事実が発覚するのですが、
「Scripae」という誤植が活版印刷発明以前の古い時代の用例がヒットすることから、
「これはこれで味があるのでは!?」と名義採用の機運が高まり、
結局「書記官」ということばも少なくとも性別が正しくないことを除けば
意味は十分自然という結論に落ち着き、2人の名義は「Code Scripae」となりました。

次に楽曲ですが、西島尊大さんの『39転調』で作らせていただきました。私からの提案です。
この曲で11keyを作ってみたいとは長いこと思っていたのですが、今回の合作でついにチョイス。
この2人でこの曲の11keyを作るとどうなるかは未知数でしたが、この曲でやってみたいという欲求には勝てませんでした。

そんなこんなで曲が決まり、パート分けの段階に。
当初はオーソドックスなコラボ合作の譜割りだったのですが、
私からの提案で1パートをより細かく分けることにしてもらいました。
なんとなくですが、採用となったこの譜割りだと、ジャズのセッションみたいな楽しさがありそうだと思ったんですよね。
曲に乗って、自由な構想で譜面を作る、みたいな。

その直感は正しかったのか、とても楽しい作譜となりました。
各々が直前の相方のパートを受けて「じゃあこの音を拾おう」だったり、「ここは物量を」とか、
「移動をもっとパキパキと」みたいな発想を得て譜面が作れたように思います。

移動面でこそ私が目安を示した部分があるかもしれませんが、縁の下の力持ちはdecresc.さんでした。
decresc.さんは拾う音の種類のパターンが豊かで、私一人で作ったら単調な譜面になりそうなところに
気づきを与えてくれ、より豊かで、よりのびのびとした印象の譜面を作り上げるための土台を提供してくれました。
このような作譜時の心構えは私には足りていなかったので、大きな学びになりました。

と、そんなこんなで自由に譜面を組んでゆき、たまーにdecresc.さんの個人パートにちょっかいを出しはしましたが、
つつがなく譜面が完成しました。
これが、楽しい。独特の小気味よさがあり、非常に中毒性のある譜面になったのではないでしょうか。
かく言う私も、譜面完成後はもちろん、製作途中にもすでに出来上がっているパートを何十回もプレイしていました。

難易度が高い譜面だったのでゲージもやや厳しく設定したこともあり、
クリアのためには相当な実力が必要な譜面になってしまいましたが、
11keyを嗜む方は一度はプレイしていただきたいです。そのユニークな演奏感は、きっとあなたを虜にするはず!

最後に、相方のdecresc.さん、今回は合作のお相手ありがとうございました!
この譜面は間違いなく、私一人では到底作り出すことのできない譜面です。
非常に新鮮な刺激をいただきました。ありがとうございました!
機会があればまた合作しましょう!
decresc.
というわけで皆様こんにちは。
ここ数ヶ月でいろいろなことが起こりすぎて
イベント参加もだいぶ危ぶまれましたが、一応今回もギリギリ参加できました。
今も心身ともに最悪に近いコンディションではあるのですが、
なんとか完成できて安堵しています。

1対1の 合作と しては 今回で4例目となります。apoi様との合作です。
こうしてみるとまあいろいろやってきたんだなとは思う限りではあります。

合作自体の起こりに関しては、チャットのログでそれとなく残ってはいるのですが
今年の3月頃にそれとなくチャットに居たところ
私自身の11keyに対する経験のなさをきっかけに話題が立ち上がり、
それで作り方を知りたいと思って……的な話から始まったはずです。
まあこちらに関しては細かい説明はしていただけると信じて、
今回の私からはその自身の弱さに関してちょっとした補足を。




最近になって私のことを知った人がもしいるのであれば、
おそらく私のイメージは「なんかやたらと多くのキーに手を出してる奴」かと
思われますが、実際のところこうなるまでにはそれなりに時間を重ねてきています。

そもそもの私は、何なら多鍵アンチと言っていいほどまでに
多鍵譜面を嫌っていた5key限定のプレイヤー
であり、
制作者としてもそのスタンス自体は変わっていませんでした。

その後数年前の多鍵祭に参加するうえで
(当時は5keyのみの参加に制限があったこともあり)
半ば仕方なく7key譜面に手を出したのが、
私の多鍵譜面との付き合いの始まりです。

その後しばらくメインは5keyで、イベント時は7keyも作るという
スタンスが続いていたのですが、その後のイベント
「さらに新しいことに挑戦する必要がある」縛りが存在し、
苦肉の作として作成したのが11key
という形でした。




このように。言うなれば、この7keyと11keyに関しては、
最初は自分が作りたいと強く願って
作成したわけではないキーである
ということ。

そしてそれ以降は私自身の趣味嗜好を元にキーを広げていったこともあり、
どうしてもある程度関心はそちらに寄っていってしまったということ。




その結果どうなったかというと、
自分自身はこれらのキーに関して深い理解をすることなく、
違うキーにかまけていってしまった
というわけでして。
しっかりセオリーを学ぶ前に、通り過ぎてしまったというわけです。


言うなれば私にとっての11keyは、
目を背け続けて視界から消してしまった、逃走の象徴でした。




もちろんその後もご存知の通り、11key自体の作成は続けています。
何も一度触れたキーはずっと触れ続けないといけない理由があるわけでもないのですが、
今日に至るまで7キー種構成が続いているのは事実なわけでして。

そのため譜面の製作数自体はそれなりにありますし、
その中にはプレイヤーの方からしたら斬新で
面白い11keyもいくつかは存在していたようです。



Thunderclap(11A)Tell the Truth(11A)旅の果てで待っていて(11A)などは、
それこそ今回の合作相手であるapoi様からいろいろお墨付きを頂いた譜面でした。

ただその譜面に関しても、
それがなぜ面白い譜面になったかはだいたいわかってない。
なぜなら作った本人がこの11keyというものを理解しきれていないから。
意図的に面白い要素を入れたつもりではなかったが
それが偶然有識者に突き刺さっただけ。



また理解していない故にとんでもない譜面を生み出しがちなのも
また私の11keyにはありがちなこと。
いわゆる11key-LEGGENDARIAを冠した譜面たちに
人道に反したろくでもない奴らが多すぎるのは
皆様も知ってのとおりでしょう。

別にそれ自体は私が譜面を作るうえではどのキーであっても
多かれ少なかれそうなりがちではあるのですが。
それが極端に強くなりがちなのがこの11keyなのです。





そんなこんなで曖昧な譜面制作を続けていくにつれて、ふと考えてしまいます。
今からでも学び直す意味はあるのではないかと。
極端に簡単な譜面かタガの外れた化け物しか生み出せない自分が、
11keyの知識を得ることで何か変わるのではないかなと。
そんな流れで誕生したのが今回の合作でございました。

相手のapoi様は言うなれば現代における11keyの第一人者。
そんな方と合作する以上、普段通りの制作で収まるわけはありませんからね。




譜面自体はapoi様の提案で、目まぐるしく担当パートが変わる
リレー合作の毛色が強いようなちょっと変わった構成になっています。



apoi様の難譜面に自分が普段通りの譜面を作成したところで
難易度落差の激しいナンセンスな譜面になってしまうので、
できる限り自分もapoi様の難易度や譜面の質に立ち向かって作成したつもりです。


ただ個人パートといえども、
実際のところはapoi様の確認・監修が全体的に入っているので、
完全に私の譜面というわけではなかったりはします。


そういう意味では純粋な個人パートとは違うかもしれませんが、
その分全体的な譜面の質は上がっているかと思います。
配置をより面白い形に修正いただいていたり、
「ここの手の移動局所的ですけど★13並の技術要されるんですけど」みたいな私の大戦犯要素
潰していただいたりしています。ちなみに2回ほど再犯しました。




結果として完成した譜面は、私自身の技量では
クリアするのはだいぶ厳しい譜面になっていますが、
それでも手の動きをそれとなく追うだけでも
楽しい感覚になっているのではないかなあと思います。

是非クリア狙いからスコア狙いまで、
末永く遊んでいただける譜面となっていたら嬉しい限りです。
現場も手ぐすね引いてお待ちしております。



改めてapoi様へ、この度は話の提案から
譜面の作成監修等も含め、大変お世話になりました。

結果として現代11keyの真髄をつかめたかと言われたら……
……まだ自在に操るまでの水準には達していない気はしますが、
今後もダンおにを作ることを続けていけるのであれば、
おそらく11keyも作り続けていると思うので、
変化が出ることを期待していただければ幸いです。